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「文章」について研究するということ
この世界には、ありとあらゆる分野について数多くの学問というものが存在しています。それらは、それらの分野の発展を助けるだけではなく、その副次的効果として私たちの生活に対しても関与している場合があり、それらの研究が進むことによってそのまま私たちの生活が豊かになるということが少なくはありません。例えば政治学なら、歴史的にみてどのような政治が行われて来たのか、そしてそれらの政治がどういった結果を迎えたのか、それらのことを研究することによって、私たちが未来に向けていかなる政治をしていくことが有益であるのか、ということを追求することになり、それはひいては私たちの日常生活にも大きく関わってくることに成るでしょう。更に言うならば、物理学のような自然科学も私たちにとって重要なフィールドです。物理学によって、例えば重力であったり、摩擦力であったり、加速力であったり、そういった絶対に変える事の出来ない地球上、あるいは宇宙空間における法則を研究することは、即ち新たな発明を引き起こす為には絶対に欠かす事ができないファクターであるのではないでしょうか。例えば、浮力の存在がわかって初めて人類は気球によって空に飛び立つことが出来ましたし、それに加えて揚力や推進力という力が解明されることで今のような便利な飛行機が開発されるに至りました。そこには、もちろん開発者による実地実験による部分も非常にありますが、必ず物理学というものの存在がその影にあったということは言うまでもないことではないでしょうか。そしてこういった学問というのは、多くの場合他の学問と密接に関わり合っていることが多いようです。例えば既に出した政治学と物理学について見ていきましょう。政治学を研究するためには、過去の政治というものがどのように行われていたのか、というのが分からないといけません。そのためには少なからず「歴史学」という学問分野の知識や協力を得なければならず、単独で成り立つものではないというのは分かるでしょう。そしてこの「歴史学」も研究内容に真実味を帯びさせたり、あるいは研究の切っ掛けを作り出すためには「考古学」の力が必要です。遺跡研究や発掘作業など、すべての歴史のスタートとなる考古学の存在によって、多くの歴史というのは実証性を帯びた真実味のある存在と成るのです。そしてこの「考古学」も単独では成り立ちません。もし遺跡を発掘したとしても、その遺跡がどういったもので、どういった年代のものであるのか?ということを知るためには「地質学」などの「地学」によらなければ不可能です。遺跡周辺の地層や化石などの存在から、遺跡の年代を割り当てるのです。そしてその地層学は、「化学」などの分析力を借りなければ正確性を帯びることはないでしょう。ただただ予想するだけではなく、地質についてより鮮明に分析することによってそこに説得力が生まれることになるのです。もう一つ、物理学についても考えてみましょう。物理法則を見つけること自体は物理学のフィールドですが、それについて精査し、体系化するためには必ず「数学」の力を借りる必要があるでしょう。自然法則を数字化し、公式化し、目に見える形に変換するためには数学の力を借りなければまずそれは不可能です。こうして得られた数字化された物理法則は、工学などに流用されて私たちの生活に近づいたり、あるいは建築学などにも使われて、より私たちの生活にとって必要な文明と文化、その両方に対して影響を与えるものとして変化を遂げていくのではないでしょうか。このように、ざっと見てきただけでも分かるように、私たちを取り巻いているそのほとんどの事象というのは、必ず何かしらの学問によって研究されているのです。何気なく使っているパソコンは科学と数学と工学の集大成でありましょうし、エアコンなども工学と化学によって作られたものです。テレビの電波だって物理学によって電波というものが詳しく研究されなければ、決して実現することはなかったのではないでしょうか。そうした学問の中で、ひときわ異彩を放った分野というものが存在します。それは、「芸術学」です。芸術学というのは即ち、絵画や彫刻、あるいは建造物や文章などのあらゆる「芸術」について研究するものですが、これらについては、私たちの豊かな生活には決して直結しない存在であるということができるのではないでしょうか?それでは、なぜこのように私たちの生活を豊かにするわけではない芸術学というものが、これほどまでに大手を振って学問として存在し、多くの学者たちによって研究対象とされているのか?それは、文明ではなく、文化に対して非常に大きな発展をもたらすものであると考えられる為です。考えても見てください。私たちの生活は確かに物理学や政治学などによって作り上げられた文明力によって、非常に豊かなものとなり、日々使いやすく楽な生活を送っていますが、そこには必ず文化というものが付いて回るのです。もしテレビに映されるのが、ニュースや教育番組だけであったのなら、如何でしょうか?描かれる絵が写生ばかりであったり、描かれる文章がノンフィクションばかりであったり、作られる建造物が居住性以外のことを考えていなかったのならば、どうでしょうか?きっと私たちは、生活こそ便利であっても、そんな社会を夢見たりはしないでしょう。いくら文明が発達し、もし漫画のように飛び回る車や、どこにでもいけてしまうドア、もしくは時を超える機械が開発されたとしても、そんな味気の無い社会になるのであれば、きっと私たち人間にとってそれは決して進化ではないと言えるのではないでしょうか。そう、私たちの生涯において重要なのは、文明だけではありません。そこには必ず、豊かな文化が同時に存在していなければ、決して「夢」にみられるような幸せな生活は実現されることができないことでしょう。文明が生活を豊かにするものであるのならば、文化は心を豊かにする存在です。そのため、芸術学を始めとした多くの文化芸術学というのは、非常に大きな研究対象として存在し続けているのです。さて、このサイトでは、そんな文化芸術学の中から、これまた1つ異彩を放っているといえるでありましょう「文学」について追求していきたいと思います。文学というのはその名の通り、文章によって作り上げられる文化について研究する学問です。それは、例えば現代の文章でもあるでしょうし、あるいは私たちが生まれる遥か昔の文章であるかもしれません。そのどちらもが、私たちの文化に対して大きな影響を及ぼすものです。しかしながら、なぜ文章だけで表される文化というのが、これほどまでに魅力的であるのでしょうか?同じ文化を表すものであるのならば、色鮮やかな絵画や、複雑な彫刻、あるいは豪華絢爛な建築物の方が、見目には麗しいもので、ただただ白い紙に黒い文字で印刷される文学なんかよりは、よほど文化的であると感じるような気もします。そんな、白黒の文化である文学が、ここまで重宝され、多くの人達によって研究されるのは、一重に人間が人間であるためでしょう。人間というのは、すべての動物の中でも極めて高い知性を備えており、その脳の構造は他の動物に比べて非常に発達しています。そこで、人間にのみ許されたものであるといわれる1つの機能がそんざいしています。それは、「空想」です。我々人間は、いともたやすく目の前にある現実以外の姿を頭の中に思い浮かべることが可能です。例えば、どこに旅行に行ったら、どうなのか、ということを想像することが出来るのです。それが既に一度体験したことがあるのならば、追想ですが、もし全く未経験ならばそれは空想というにふさわしいものでしょう。その想像をする、という能力がこの文学というフィールドに翼を与えました。文章を読んだところで、私たちの目にはいるのはあくまで白と黒の世界ですが、それらを読むことによって私たちの頭にはいるのは、きっと色鮮やかな光景でしょう。もし文章の中に、世にも美しい光景が的確に描写されているのならば、私たちは一歩も歩くことなくその世界に旅をすることができます。それが実在していなくても、です。例えばファンタジーのような世界にだって、私たちは立ちごどころに赴く事ができてしまうのです。それらの能力は、決して現代人にだけ許されたものではありませんでした。人間の長い歴史の中で、それらの空想は非常に古い歴史を持っているということは、この文学を研究していくとわかってきます。それらについて、改めて私たちが知ることは、それ即ち過去の人間たちとリンクする唯一の手段となり得るのではないでしょうか?そのためには、ただただ文章を文章として読むのではなく、より深い研究をする必要があります。それが文学というものの存在価値であり、魅力であるということが出来るのではないでしょうか。さて、このサイトではここから、そんな文学において主に3つの分野について詳しく見ていきたいと思います。まずは、文学がどのような構成によって成り立っているのか、という「文学の成り立ち」について、そして次には、文学を学んでいく上で、是非知っておきたい幾つかのことについて「文学の基本」、そして最後には、文学の中でも、特に我が国の近代にスポットライトを当てた「近代日本文学」の3つについてです。いずれの分野も、ただ知っているだけでも私たちの心を豊かにしてくれる存在であると言えるのではないでしょうか。私たち人間は、空想力と同時に、知的好奇心という何にも代えがたい財産を持っているのですから。
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